地震の揺れが弱くても、大津波がくることがある!
~地震津波~
多くの津波は、海底で地震が起きて、陸上でも強い揺れを感じ、やがて津波が襲来します。
しかし、地震の揺れは小さいのに、津波だけが襲来する例があります。
このようなタイプの地震を「津波地震」と呼んでいます。
1896年 明治三陸地震津波が、その典型的な例でした。
陸上での揺れはせいぜい震度2か3程度で、ほとんどの人が気にも止めなかったのに、
地震から30分あまりたって大津波が沿岸を襲い、歴史上最大の死者を出す大災害になりました。
このような津波地震はどんなしくみで起きるのでしょうか?
ひとつの理由は、断層の動きです。
海底下の断層破壊が急激に進めば、陸上では強い地震動を感じます。
しかし、場合によっては、断層破壊がゆっくりと進行することがあります。
断層がヌルヌルと動くから、陸上では地震の強い揺れを感じません。
ですが、破壊した断層面の面積は、断層が速く動いたときと変わりませんので、
海底地形はゆっくりではありますが同じように変動し、津波も同じように発生します。
地震による津波の約10%は、津波地震によるともいわれています。
このようなタイプの地震は、
観測するのに技術的な課題が多く、
現在の所、津波予報が万全ではない、という状況です。
参考文献
『防災士教本』
特定非営利活動法人 日本防災士機構.
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